Lovely Rotor



くるくる回る・機械を回しちゃう
 〜「分解」の窓から〜


10代の頃

そもそも
機械なんてものは
ボタンを押せばいいものだという
側の立場にいたので
デザインする!していうこう!
という発想すらなかったわ.


---  それから機械との出会いがあり・・ここは長くなるので中略  --

そう
機械のお仕事で生活していこう!
と決めた時は,

とりあえず
身近にあるキカイらしきモノ
ライター,ラジオ,時計,ゲーム機などなど・・・
いろいろな機械・機器を
「分解」して
どんな風に作られているのか
仕組みを理解しよう.
と自分に無理やり言い聞かせたっけ.

(正直なところ,”好き”まではいっていなかったので,結構苦痛に近い状態でした.)


当時の私は
メカニズムを理解する力もないまま
”キカイと向き合わなくちゃ”と
いう勢いだけで
「分解」したりしていたので

ねじを外してみたところで
「なんじゃ〜・こりゃ〜」
の繰り返し.

機械っちゅーのは
ゴチャゴチャしたものが
面倒臭く詰まっていて
なんだかわかりにくいしぃ

分解したものを
どーやって元に戻していいか
わからーん.(泣)(涙)(泣)


キカイと自分に
何度も
腹を立てながら
奮闘した日々が続いたわ.


でも
分解した部品たちを
ほったらかしにすることや
捨てることが
どうしても出来なかった.


こんなもの
こんな
厄介なもの

そうだ!
「標本にしてしまえ〜」と
ある日,思いついてね

小さいものから順番に箱の中に並べて
「このキカイは何点で構成されているのね」
と数えては
丁寧にひとつずつ貼り付けていったの.

知らない部品が出てくると
「これは,一体なんだろう」
なんて
調べながら過ごしていって

あまり見かけない
奇妙な構造や
セクシーな部品らは,
ノギスで測って図面におこしてみたり,

削って形を変えてみたり,
交換したりしてみたりして
自分なりの楽しみ方を
みつけていったのね.

そのうちに,
キカイのカバーをあけてみると
力の伝わり方がスーッと見えてくるようになり
(というかメカニズムを読むようになったのかな.)

やがて

この部品は余計なんじゃないかな〜とか
これを一つにするといいんんじゃないかな〜とか
材質を変えたらどうなるのかな〜とか

だんだんと
機械を見る目になってきて
機械の音をきき分ける耳にもなってきて

ユニ(1本化)という
自分なりのコンセプトに向けて
考えるようになり・・・

そういった類の
自己トレーニングを積んだおかげか

機械の問題を発見して
改善していくお仕事や
みんなの生活を楽にするための
はじめの一歩の開発のお仕事などなど・・で
お金をもらえるようになったの.


  


先日,
実家のビデオが壊れたというので
久しぶりにカバーをとって中身をみた.

おぉ,懐かしい・・

はじめてビデオを分解したときに
衝撃的だった「磁気ヘッド」とのご対面だ.

今まで分解したほとんどの機械・機器は,
左右対称になっているのに

「この子,斜めになって付いてるよ」って
思わず口に出た事が思い出される.

ヘリカルスキャン方式は
(斜めに信号を記録することで高密度に記録できる)
「やられたー」と,
インパクトを受けた思い出の品.


デジタル化が進み,
ハード系からソフト系へと
シフトしつつある今では,

装置はブラックボックス化になり,
最近は箱を開けても,
くるくると回るものがなくなってきて
寂しい気がするのは
私だけだろうか・・.

回転体が
かもし出す振動メロディー
「ギーガシャン・ギーガシャン」とか
「ジーコ,ジーコ」の仕事音.

くるくると回る機械.
これらはみんな
エンジニアの憧れの象徴なのだ.

現場の職人さんが
「この機械にはくせがあるんだよ.」
と,まるで人間のように扱っていること.

やがては
ノスタルジーに色あせて
いくのだろうか・・.


2009.7.28 Mami Nishida


BonNou コラム(後)

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