機械設計では、カムは運動の方向を変える大事な機械要素の一つです。
カムは原節と呼びます。個々の運動にあわせて任意の形状を持っており、直進(並進)運動するのが一般的です。
一方で、カムから直接接触することで運動を与えられる相手側を従動節と呼びます。
具体的にはカムフォロアー、レバー、リンク等があります。
代表的な使い方としては、円板カムと呼ばれる中心から円周 までの距離が一定でない(卵型や空まめのような形)板を「カムシャフト」と呼ばれる回転する軸に取り付けることで、軸の回転や角度に対応して、往復運動を得ることができます。

カムは、一つの運動に対して、一つのカムが必要となるため、可変が複雑なメカニズムには不向きと言われています。
そして、このような理由から、カムをサーボモータに置き換える例も見受けられますが、
自動車等の信頼性が要求される分野や工作機械などの安定性や高精度が不可欠となる分野では、
制御を機構で実現する技術のニーズはまだまだ大きいと言えましょう。
というのも、カムには次に挙げるメリットがあります。

① カム形状によって複雑な運動が簡単に実現することができること
② 高速運動にも遅れることなく運動を実現することができること
③ 動作が安定していること

こうしたメリットから、古くからカム機構はいろいろな機械に応用されています。たとえば・・・
ミシンは、メインのモータひとつで針の動きや布の送りを変化させることにカムが使われていますし、
カメラは、溝カムの組み合わせのズームレンズやカムを使った絞り機構(羽根を動かす)などで構成されています。
自動車のエンジンのバルブを開閉する機構もカムであり、低速のアイドリング時とアクセルペダルを踏み込んで高速駆動するときも、
バルブの開閉のタイミングは完全に同一となるので、エンジンは安定して作動します。

このようにカムは、自動車をはじめ、自動化・省力化装置や工作機械におけるマシニングセンタの自動工具交換装置、
さらに、ロボットや玩具など幅広く応用されています。

カム駆動による流量自動検定装置の概要
自動機全体の工程
①ゴムキャップをワークホルダに手動供給する。
②ゴムキャップの孔位置方向を自動で揃える。
③下部から空気を送り込んで流量を測定する。
④2箇所の孔それぞれにつき所定流量範囲の
                ものを良品と判定する。
⑤不良品(流量過少・過大)を自動排除する。
⑥良品を自動取出しする


カム機構の駆動方式には、以下のような難しい要求がありました。
(A)ゴムキャップを手動供給のため、
        作業員の慣れで速度を早くすること。
(B)現場で容易に生産速度を調整可能とするため、
        出来る限り単純に速度変更する必要があること。
(C)インバータ駆動のモータ一個で全体を駆動し、
        モータ速度の変更だけで生産速度変更すること。
(D)そのために各ユニットは同一駆動軸に取つけた
        カム機構で駆動すること。
(E)一部のユニットはカム機構からの信号で
        駆動される必要があること。
(F)生産速度は
毎分20個から50個ぐらいまで変更可能とする。

     ゆっくり

      はやく


P13より 組立機械などに用いる場合 P54より 小型ステージなどに用いる場合
プチコメント:
カムやカム溝の形状を変えることで、必要な速度やストロークを得ることができます。
その形状は、求める運動ごとに異なりますが、運動を伝えようとする原節(カム)から伝えられる方の従動節(カムフォロア)に沿って確実に運動するため、正確な動作を実現することができます。
機構の活用 No.2
複数カムによる
    巧妙な技の実現

カッコイイなぁ~


カム機構
動き
な動き


カム機構」と言えば・・・・。
やはり、弓曳童子でしょうか。

からくり人形の最高峰といわれる田中久重が作った「弓曳童子」を見たときには、ショックを受けて、ドキドキした覚えがあります。    そもそも、からくりが大好きでこの世界へと進んだ私にとって、弓曳童子はまさに“機械のみなもと”と言っても過言ではありません。

さて、「弓曳童子」は、
ゼンマイ歯車カムカム板の組み合わせだけで全ての動作を制御しています。(ここがカッコイイ!)

左のイラストは、弓曳童子のカム機構の一部を描いてみました。腕や首に糸が通され、この糸をあやつりながら、複雑な動きを作るのがカムとカムを受け止めるカム板です。

例えば、ゼンマイの動力で二つのカムを同時に動かすと、顔がマトを見る動きに連動して、弓の弦に矢をあてがいます。
実際は、7枚のカムとカム板を連携させて、弓曳童子独特の豊かな表情となめらかな動きを再現しています。

自動化機構300選からのご紹介

※動画が再生されない場合は、アドオンを実行してください。
作業員の供給速度に合わせて機械の処理速度が変更できるシステムです。

カム
動画の解説
←ゆっくり
これは、穴あきキャップ状部品の液体流量自動検査装置の駆動系です。カムで駆動される機構は、ゆっくり動作させた状態で、各機構部間の相互のタイミング設定を正確に行えば、実稼働時には作業員の動作速度を(ゆっくり~はやく))に対応して駆動軸をいくら速く廻しても、相互のタイミングが狂うことはないので、任意の速度で安定して生産運転することができます。
はやい→
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カタっカタっ


これが「カム機構」です。



〜カムステーション〜
動画提供:株式会社 新興技術研究所

(一部抜粋しました。)

の紐

私と機構といい暮らし