改訂新版 自動化機構300選 -制御回路付き-

よもやま話






本書の解説

本書は
1976年5月20日に出版された
「自動化機構300選」を
今の時代に合うようにリメイクしたものです.

機械の基本動作である
「直進運動機構」、「揺動運動機構」、「回転運動機構」
の3つについて
基礎編と応用編とに分け、
よく使われる簡単な機構から
生産現場のライン構築に必要なメカニズムまで
機械系の目線でわかりやすく
1ページ内に可視化されています.

改訂新版では、
用語的に古くなっている部分を
修正変更・加筆し、
読者が知りたい機構、
ほしい情報にすぐに到達できるよう
目的やテーマごとに整理してまとめました.

そして新たに、
オリジナルの記号やシンボルマークを使って
変更が可能な「可変機構」や
機械の「入出力」の動作を示しました.

さらに、
フローチャートも加え、
ラダー図から制御プログラムを
容易に作成できるような構成としました.

実際の生産現場から生み出された
独自の機構と制御の事例を
読む・見る・考えることで
機械の本質を知ることができ、
「創造の広がり」を持てるものとしても
素晴らしい一冊となっています.

是非とも
お手にとってみていだだけると幸いです.



1976年発刊の
「自動化機構300選」のお話

旧「自動化機構300選」は、
1976年5月20日〜2004年までに
24刷が発行されている
工学書のベストセラー
とも呼べる一冊ですが、
現在は残念ながら絶版となっています.


1ページ、1ページ、
書き手独特の力強い気配を
残されるように
完成された初期の作品は、
以下の総勢なるメンバーで
ご執筆されております.



熊谷 卓 叶V興技術研究所長
山本 晃 叶V興技術研究常務取締役
飯田 詢 潟Aマダ(東芝機械)※1
大久保 貢 三協精機製作所 オルゴール生産部長※1
大高 俊直 日立精機株式会社 生産技術部※1
志賀 康彦 日立精機株式会社 生産技術部※1
清水 賢二 岩崎通信機株式会社※1
福田 雅彦 ヤマハ発動機株式会社※1
吉田 鐐一 スター精密株式会社※1
                                    ※1執筆ご当時

上記9名の筆者の大半は
海外視察団のメンバーでいらっしゃいました.

当時、
アメリカの自動機械を見に行くため、
視察団の募集を募ったところ
予定以上の人数が集まったため


熊谷先生が所属されている精密学会の
1期後輩でいらっしゃる牧野洋先生(山梨大)と
熊谷先生がコーディネータを勤め
二人で、まとめながら現地へ向かいました.


それがご縁で
熊谷先生が音頭を取り、
開始から約3年かけて
作品が完成されたという経緯があります.



熊谷先生と西田麻美との出会い

2010年の1月、
技術士の機械部門新年会の
歓談の席で
熊谷先生から声をかけてくださり、
お話したことがきっかけで
自動化機構300選の
リメイクをお手伝いすることになりました.


実のところ、
熊谷先生との出会いは
それがはじめてではありませんでした.

かれこれ20年以上も前のこと

私は、あるメーカー会社に就職が決まり
自動搬送機の設計を担当することになりました.

はじめて手がけた機械は、
原子力発電所で勤務する
作業員の洋服を焼却するために、
焼却炉まで搬送する装置で

いわゆる
外部からの操作を可能にした
オートメーションのオーダー機械でした.


小さな会社でしたので、
メカだけでなく
電気系(制御系)統も含めて
 ゼロから自分でやらなければならない
・・・といいますか、
やらせてもらえる会社でした.
 

まったく無知の私に
このような大きな仕事を与えた
勇気ある上司とめぐり合い、
それに応えようと
ただ、がむじゃらに
突っ走っている自分がいました.

特に電気・制御系は目に見えない分、
突破口が見出せず
思うように動かないことに腹立たしくなって
いらだちから
スイッチを押して

”ガシャーン”

シャフトの作り直しに

加工屋さんをはしごして・・・
深夜の12時頃
主軸1本削り終わるのを
手を合わせて待つ若さ一杯の自分がいました.


思えば、
「女はお茶くみ、腰掛」と言われ
「4大卒は嫁に行けない」という時代の中で
 町工場の人たちは
二十歳そこそこの女の子に
とても優しかったのです.


想像以上の、
大変な仕事に就いてしまったなぁと
思う毎日を繰り返していたときに
出合ったのが
熊谷先生の自動機械の本です.

難しいことを簡単に言い当ててしまう
すごい人が世の中にいるんだなぁ・・・
と大ファンになり、

何度も講演会に行って
お話をきいてみたり、
何かの岐路に立つたび
指針を確認させていただいたりして
遠くの方から
背中を見ているという
憧れの存在でした.


それから20年が経ち、
ほんとにいろいろなな機械を作らせて頂いたり、
具合の悪い装置をやっつけてきたりしながら
ずいぶん辛いこともあったけれども

熊谷先生と
時間を共有することができ
また、作品に取り組む中で
機械の深さについて学ばさせて頂けたことに
あきらめず、
自分を信じてよかったなぁと
心からそう感じた一年でした.


本書のファンの一人としても
心から感謝いたします.



おまけ



子ども頃に興味を持ったモノは?

熊谷先生→カメラ(父の影響)
西田麻美→ミシン(父の影響)

熊谷先生の会社にて 
(日刊工業新聞社 飯嶋さん撮影)




打ち合せはどのような感じで?
熊谷先生→「ヨイショ」
西田麻美→「ハイっ」

スピードMAXの状態で
”餅つき大会”しているような感じでした.

(新横浜のMtgでは、隣の席の方がびっくりされてました)

という達成感もあってか・・
熊谷先生の会社の近くの雑貨屋さんで
帰り際に、購入してしまった”ぬいぐるみ”
(気が付くと部屋の中が熊だらけ・・・)




お酒の方は?

熊谷先生→まったく飲めない
西田麻美→熊谷先生の分までガン飲み
(汗)

打ち合せの行き帰りで必ず見ていた景色
(時の流れに身を寄せて〜♪ららら〜)





出張先のホテルで
時間のある限り
見直すように心がけていました.
おそらく、
熊谷先生も同じだと思われます.

私の場合は、こんな風に↓



わが国の技術レベルの高さは
真に誇るべき




人間の営みや文明がある以上
機械は古くなどならない.




日本がかかえている人件費の問題は
巧みな自動機械を構築することに
解があるんじゃないかしら.

どこにいても
人とキカイは隣り合わせで
共に奥が深いことを
考えさせられる日々でした・・・





熊谷先生とは?

己の目指す方向に
軸ブレのない方です.



以上、
ここまで読んでくださり
ありがとうございました!



2011.3.25 Mami Nishida




著者プロフィール


熊谷 卓
(くまがい たかし)

愛知県出身

1955年東京大学工学部精密工学科卒業。同年、マミヤ光機(株)入社。
1962年技術士国家試験機械部門合格。
1963年(株)振興技術研究所設立、代表取締役就任。
自動組立機をはじめ各種自動化設備・機器等の開発設計・製作、
技術指導に携わり現在に至り、現在、同社取締役会長。

米国・欧州自動化技術視察団コーディネータ8回、
自動化推進協会理事・副会長、精密工学会自動組立専門委員会常任幹事、
日本技術士会理事・機械部会長、
科学技術庁技術士本試験試験委員、
中小企業大学校講師、
日本産業用ロボット工業会各種委員等を歴任。
神奈川大学講師、高度職業能力開発センター講師、
新産業ディベロパーズ(国際地震予知研究会)事務局長、
新興テクノ(株)代表取締役、
自動化推進協会理事を兼務。
自動機の「デバッギング理論」による
「チェック機構と最適稼働率」が欧州年間論文大賞にノミネイト

主な著書:
「自動化機構300選」、「実践自動機構図解集」、
「自動化ライン設計定石集」(以上、日刊工業新聞社)、
「生産効率化実践マニュアル」(PHP研究所)、
「組立・ハンドリング自動化実例図集」(新技術開発センター)、
「メカトロニクス技術認定試験教本」(工業調査会)、
そのほか著書、論文、講演、発明多数。



西田麻美 
にしだ まみ)

東京都出身

芝浦工業大学大学院機械工学研究科前期博士課程修了、
電気通信大学大学院電気通信学研究科
知能機械工学専攻博士後期課程修了、工学博士。
国内外の中小企業や大手企業において、
手のひらサイズから宇宙規模までの機械・機器設計・研究開発を
約20年間に渡って手がける。

製品開発の例として、
自動搬送機、小型自動微調整装置、精密ステージ、
アミューズメント機器、遊戯機器、
輪転機、印刷用装置(プリンタ/プロッタ/スキャナー/ミニラボ)、
レザー・特殊光学系ユニット製品、スターリングエンジン、
小型・省電力の熱変換装置、
環境省及び防衛庁に関するロボット、ボアサイト装置、
石油探査装置、他。

東京科学電子工業専門学校講師,東京都職業技術専門学校講師など
技術指導および技術コンサルトを経て、
2010年より関東学院大学工学部機械工学科専任講師に就任。

主な著書:
「メカトロニクス The ビギニング
〜 「機械」と「電子電気」と「情報」の基礎レシピ〜」、
「メカトロニクスThe欲張りドリル
〜 「機械」と「電子電気」と「情報」のテーマと問題〜」
(以上、日刊工業新聞社)







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